始まりの終わり
原作:桜野みねね先生 文:雄志


秋の枯葉が舞う寒さと暑さの混じった日だった。

「太助様!お弁当一緒に食べましょう。」

当然太助はシャオの誘いを断ることはなく

「うん、いいよ。」

傍から見たらラブラブのカップル。

そこにお決まりの彼女の出番だ。

「おーいシャオ!一緒に弁当食おうぜー。」

購買部から弁当を買ってきた翔子が走ってシャオの方にきた。

「いいですよ〜一緒に食べましょう!」

シャオはいつもどおり翔子と一緒に弁当を食べる。

しかし太助は翔子のほうを軽くにらんで、鼻で笑いながらいった。

「ふっ。どうせそうさ。いつも俺には邪魔者がくるんだ。」

そんな太助を尻目に翔子はシャオに耳打ちした。

「おいシャオ。3日後何の日か知ってるか?」

「いえ、わかりません、何かありましたっけ?」

シャオは不思議そうに翔子をみながら言った。

「3日後は七梨の誕生日だ。シャオは何か上げるつもりあるのか?」

「あ〜そうでしたね!まだ考えてませんけど。」

シャオは大声で言った。

「ん?何がそうだったんだ?山野辺!またお前シャオに変なことを教えただろ?」

太助は翔子を攻めるような言い方でいった。

「違いますよ。太助様!翔子さんは・・・ッ!」

シャオは翔子に口を押さえられて続きがいえなかった。

「まったく、お前が何か言うといいことがあった例がない。」

太助はきつい顔で翔子をにらんでいた。

「う、七梨のやつ疑ってるな・・・・・・まぁ、七梨の誕生日までの辛抱だ。」

翔子は太助に軽く笑い返しながら考えてた。

―――キーンコーンカーンコーン―――

弁当の時間が終わるチャイムがなった瞬間。

翔子は走って自分の席に戻った。

「まったく、山野辺のやつ、変なことばっかシャオに吹き込みやがって・・・・・・」

太助は翔子への怒りで三日後の自分の誕生日すら気づかなかった。

「太助様!今日も「たんしゅくじゅぎょう。」ですって!早く終わるんですよ!」

シャオは太助に顔を近づけながら言った。

「え?あぁ短縮授業か。じゃあもう終わるころなんじゃないか?」

太助はふと気づきシャオに教えた。

「じゃあ、太助様、学校終わったら晩ご飯のお買い物に行きましょう。」

パンと手を打ちシャオが言った。

「あぁ、いいよ。今日はなんにするんだ?」

「今日は麻婆豆腐にしようと思います。」

「麻婆豆腐か〜久しぶりだな。」

そんなラブラブな会話をしてる中。

学級委員の号令が聞こえた。

「起立!!」

―――ガラッ―――

「礼!!」

『さようなら〜!』

学級委員の号令が終わると、一斉にドアの方に生徒が集まった。

太助はまだ帰りの支度をしていた。

そこに翔子がこっそりやってきた。

「おい、シャオ!明日までに考えとけよ!」

そう言うと翔子はさっさと帰っていった。

「さぁ、シャオ帰ろうか!」

太助がそう言うと

「え〜たー様、帰っちゃうの〜?」

ルーアンの声が聞こえた。

「ル、ルーアン職員会議じゃないのか?」

太助が恐る恐る聞いてみると

「いいのよ〜たー様と一緒に居れるなら!」

ルーアンが太助に甘く呟いたときだった。

「ルーアン先生!今日こそ職員会議出てもらいますよ!4日間もサボってたんですから!」

数学の田畑の怒鳴り声が教室に響き渡った。

「いやぁぁぁ!ルーアンたー様と一緒にいたいの〜」

ルーアンの叫び声もむなしく職員室のほうに引きずられるルーアンを見て太助は安心した様子で

「ふぅ、よかった。ルーアンがいると暑くて仕方ないからな。あと、邪魔だし。」

そんな時だったシャオが元気な声で太助に言った。

「太助様〜!お帰りの仕度できましたか?早くお買い物行きましょうよ!」

「あ、あぁ!行こう!行こう!」

太助は帰りの仕度を軽く済ませてシャオの方に早歩きで向かう

「じゃあ、行きましょう!」

シャオが走って昇降口まで行くと、それを太助が追う。

「待てよ〜シャオ!」

太助は笑いながらシャオを追う。

靴を履いて学校を出る二人。

校門を出るとそこに一台のバンが止まっていた。

「シャオさん。お家までお送りしますよ。さぁ乗ってください。」

前髪を「ふぁさ」とかき上げる。

そう出雲だ。

「う、宮内出雲・・・・・・」

太助はいやな顔をしてシャオに言った。

「シャオ、今日は走ってスーパーまで行こう。」

「なんでですか?車で行ったほうが早いですよ。」

「いや今日はいいんだ。・・・そうだ!キリュウに帰りは走って帰って来いっていわれてるんだ!」

太助は軽く嘘をつきシャオと一緒に走った。

「あっ!!シャオさん!?」

出雲は驚いた様子でバンで追いかけようとした。

しかし走っている太助たちは裏道を使い出雲を撒いた。

「ふぅ・・・やっぱりこうなるんですか。まったく太助君には・・・」

出雲はがっくりと肩を落とし自分のバンで帰っていた。

「そろそろ出雲のやついなくなったかな?ふぅ、シャオ、そろそろ歩こうか」

「いいんですか?キリュウさんの試練を無視して。」

シャオはまだあの嘘を信じていた。

「え?あ、大丈夫だよちょっと歩くらい大丈夫だろ。」

ひきつった笑顔でシャオに言うとスーパーが見えてきた。

「さぁ、じゃあ早く買い物終わらせて帰ろうか。」

「・・・・・・・」

シャオはなぜか黙ったまんまだった。

「え〜っと麻婆豆腐だからお豆腐と・・・・・・・」

太助が適当に選んでいる間も

シャオは黙っていた。

「シャオ、どうしたんだ?元気ないみたいだけど。」

太助がシャオを気にかけ言った。

「なんでもないですぅ。」

シャオは少し怒り気味にいった。

「なんなんだ?どうしたんだよ。」

太助は怒ってるシャオに余計心配した。・・・・・・2549円になります。

レジのおばさんの声と共に買い物が終わった。

その帰り道、太助は公園で休むことにした。

二人は公園のブランコに座りはなし始めた。

「シャオ。さっきはどうしたんだよ?」

太助がさっきと同じ質問をするとシャオが怒った態度で言った。

「太助様はいつも花織さん達と一緒にいてあんまり私といる時間がないんです。

だから・・・ね、あの・・・こういう時間が「でぇと」みたいに思うんです。

自分勝手かもしれないんですけど、私はこの時間が大好きなんです。

だから太助様が早く終わらせて帰ろうって言ったとき本当にさびしかったです。

太助様は早く帰ってルーアンさん達と会いたいのかなぁ。って、私と一緒にいる時間は嫌なのかなぁって・・・・・・」

シャオがすべてを言いいきった。

その後に太助が続く。

「・・・ごめんなシャオ。シャオを悲しませるつもりで言ったわけじゃないんだけどさ、

シャオと一緒にいる時間が嫌なわけないだろ?

一緒にいる時間が嫌だったら一緒に帰ったり買い物したりなんてしないだろ?

それにシャオが一番最初に来たとき言っただろ?俺は君がいるだけで十分だよ。って。

だからシャオを嫌いになることもないし、もちろんシャオと一緒にいる時間やデートが嫌になるわけないだろ?」

太助はシャオの頭をなでながら言った。

―――グスッ―――

シャオの泣き声が公園に響く。

端から見たら男が泣かせているように見える。

そんな時にシャオが言った。

「あ、ありがとうございます。わ、私、太助様が好きです。・・・・・・」

シャオはふとした瞬間に言った言葉に深く悩んだ。

「これは好き?でも翔子さんが好きっていうのとは違う。太助様とはずっと一緒にいたい。これはどんな好き?」

シャオは考えていた。

太助はシャオの何気ない「好き」という言葉に頬が赤くなった。

が、しかし太助はシャオに言い返した。

「俺も好きだよ。シャオのこと大好きだ!」

そう言って太助は荷物を持ち始めた。

「かえろうか!」

そういうとスタスタ歩いてしまった。

「え?待ってください〜」

シャオも追いかけていった。

その後も二人は終始無言だった。

―――ガチャ―――

「ただいま。」

すると上からちょうどキリュウが降りてきた。

「今帰ってきたのか、主殿。それにシャオ殿も一緒に。今日のご飯は何なのだ?」

「え、えぇ。今日は麻婆豆腐にしようと思ってます。」

シャオがそう言うとキリュウは苦い顔をして言った。

「う、麻婆豆腐か、あまり辛い物は苦手なんだが。」

「大丈夫ですよ。そんなに辛くはしませんから!」

「そうか、ならいいのだが。」

キリュウはほっとした顔で言いいながらリビングへ行った。

「さて、じゃあ俺この荷物、冷蔵庫に入れてくるよ。」

太助はそういって台所へいった。

「ふぇ?あ、太助様待ってください〜」

それから4時間後。

―――ガチャ―――

「はぁ・・・ただいま」

生気のないルーアンの声が聞こえた。

「大丈夫か?ルーアン」

太助が心配して近づくと途端にルーアンは元気になり

「たー様!たー様の顔見ると疲れも吹っ飛んじゃうわ!!」

「調子のいいやつだな。」

太助はルーアンの無事を確認するとスタスタとリビングに戻った。

「え〜、たー様まって〜」

「待たないよみんなルーアン待ってたんだから。」

「あ、夜ご飯だ!」

ぱぁっとまた笑顔になったルーアンは太助を抜かしそのままリビングに走って入っていった。

「やっぱりルーアンは飯になるとすぐ動くなぁ」

太助は感心しながらリビングに向かった。

『いただきまーす!』

みんなの元気な声で夜ご飯を食べはじめた。

それから30分後。

『ごちそうさま〜』

七梨家の夕飯は終わった。

「ふぅ。ごちそうさま。じゃあ俺は部屋に戻るかな。」

そう言うと太助はさっさとお皿を片付けて自分の部屋に戻ってしまった。

「なんなんだ?主殿は?何かあったのか?」

「わからない。けど何か嬉しそうだよ。」

飛とキリュウは太助の不思議なところを語り合っていた。

シャオは鼻歌を歌いながら皿洗いをして、ルーアンは食後のせんべいをかじりつきテレビにもかじりついていた。

―――ジャー―――

―――キュッ―――

シャオの皿洗いが終わった。

「ふぅ、今日は疲れたねお風呂はいって寝よっか!」

「はいでし。離珠も疲れたでし!」

シャオはお風呂に入り寝てしまった。


そして次の朝。


―――チュンチュン―――

すずめの鳴き声で七梨家はおきた。

「ふぁ〜よく寝た。さて学校の準備しなきゃ。」

―――トントントントン―――

リズム良く響く階段の音と共に太助が降りてきた。

「おはよう!」

「ん?主殿か・・・私はまだ眠いのだが・・・そういえば主殿。今日はいやに元気だな。」

キリュウが太助のどこか違う雰囲気に気づき聞いたが

「いや、?別に元気ってわけじゃないけど?」

でも太助はニコニコ笑いながらいっていた。


『いってきまーす』

シャオと太助の明るい声と共にキリュウと飛の秘密会議は始まった。

「主殿、何か変じゃないか?」

「そうだね。なんかここ1週間、太助変だよね。なんか太助が喜ぶようなことってあったっけ?」

「・・・・・・そういえば、そろそろ主殿の誕生日だ。」

キリュウがそう言うと二人は顔をあわせて言った。

「あ!誕生日!」

そう言うと二人は悩み始めた。

「う〜ん、主殿には何を上げようか・・・あと1,2・・・・2日しかないじゃないか!

なんでもっと早く気づかなかったのだ。」

「そんなこといっても私太助の誕生日初めて知ったし・・・」

二人は延々なやんでいた。


そのころシャオと太助は学校に着いたころだった。

「おーいシャオ!!」

翔子の声が聞こえてきた。

「ん?山野辺!お前もうシャオに変なこと教えるなよ!」

太助はいつもより警戒している。

「考えてきたか?七梨への誕生日プレゼント。」

「あ!まだですぅ〜すいません。何にしましょう。」

「何がまだなんだ?」

太助の声が聞こえる。

「太助様へのた、・・・・・」

やはりまた翔子に口を押さえられた。

「馬鹿!いってどうするんだよ!」

「ふぇ〜で、でも〜」

シャオは翔子のやりたい事をきちんと把握していなかったのだ。

「シャオいこう!」

そう言うと翔子はシャオの手を握って走っていってしまった。

「なんなんだよあいつは。」

―――キーンコーンカーンコーン―――

朝の学活が始まるチャイムだった。

「やべっ!急がなきゃ!!」

太助は走って教室へ向かった。

1時間目は自習。

またルーアンがサボっているのだ。

そして1時間目と2時間目の間の休憩。

「はぁ〜もうちょっとだ・・・・・・」

「何がもうちょっとなんですか?七梨先輩!!」

花織の声が聞こえた瞬間に太助は凍りついた。

「あ!愛原・・・あぁ。もうちょっとで冬だなぁっておもってさ」

太助は花織に軽く話した。

「大丈夫ですよ〜私が七梨先輩のためにマフラー作ってますから。」

「え?ま、マフラー?」

その言葉に太助はおぞましい想像をしてしまった。

「そうですよ!七梨先輩のた・め・に!」

そう言うと花織はいってしまった。

すると今度は翔子が

「おーい七梨!そろそろお前の誕生日だろ!お前シャオからのプレゼント期待してるんだろ!」

翔子の勘はあたっていた。

「ん?山野辺かよ・・・シャオからのプレゼント?・・・」

そう言うと太助はにやけていた。

「やっぱりな・・・お前シャオが何くれるか想像してるんだろ?シャオは純粋だからな〜何くれるんだろうな〜」

そう言って翔子はスキップしながら戻っていた。

「シャオからのプレゼント・・・」

ここ1週間。

誕生日が近づいても気づかないフリをして気を使っていたのが太助だった。


そんな時キリュウと飛はまだ考えていた。

「う〜ん、何かでないか?飛殿。あ!私は温泉饅頭をあげよう!そうと決まれば旅館にもらいに行かなくては。」

「ちょっと待ってよ。誕生日に温泉饅頭ってどうかとおもうよ。」

「う!・・・・・・・」

「私はシャオと二人っきりの時間をプレゼントしたいな。」

飛は二人の気持ちに気づいていた。

「なんでだ?飛殿。」

キリュウは何もわからない顔で聞いた。

「なんでもないよ♪」

飛は笑ってごまかした。

「本当に何がいいかな?・・・・・・・・」

飛とキリュウは真剣に考えていた。


その時星神達はみんなで話し合ってた。

「俺達からぼうずに何あげようか?」

「離珠は絵を描くでし!太助様の似顔絵でし!」

星神達の侃侃諤々な口論が続いていた。


その頃太助達は帰りの時間だった。

「ふぅ〜今日も短縮授業だからもう終わりだ〜!それに明日から休みだしな〜」

太助が笑いながら独り言をいってるとたかしと乎一郎がやってきた。

「おーい太助!お前誕生日プレゼントシャオちゃんから何もらうんだよ?」

「ルーアン先生からは!?」

たかしと乎一郎が顔を近づけ話してくる。

「ん?まだわからねぇよ。シャオもルーアンも話してくれないしさぁ。」

「なんだよ〜もしかしてお前もらえないんじゃねぇの?」

たかしのこの一言が太助の心に響いた。

「大丈夫だよ!もらえるよ!」

乎一郎が必死にフォローする。

「そんなことね〜よ!もらえるよ!」

そういって太助は帰りの準備をした。


その時だった。ルーアンは屋上にいた。

「あ〜たー様のお誕生日プレゼントどうしよ〜。」

悩んでいるルーアンの元に花織がやってきた。

「ルーアン先生!七梨先輩のプレゼント決まりましたか?」

「ん?あぁ、愛原さんね。まだ決まってないわよ。愛原さんは?」

「ふふ〜ん♪私はもう決まってるもん!手編みのマフラーですよ!これで七梨先輩は私のもの・・・・・・」

「何いってるのよ〜たー様は私のものよ〜。」

ここではいつもの争いが行われていた。


その頃太助は家にいた。

「はぁ・・・本当に誰も何もくれなかったらどうしよう・・・でも、

シャオが俺の誕生日を忘れるなんて有り得ないよな。うん!そうだ!絶対貰える。」

太助は自分の心の中で言い聞かせた。

そこに飛とキリュウがきた。

「おぉ、主殿。帰っていたのか。ところで主殿は温泉饅頭はすきか?」

キリュウの質問に飛は笑った。

「そのまんまじゃん。」

「え〜温泉饅頭かぁ〜俺は好きだけどな〜なんで?」

太助はキリュウの問いかけに不思議に感じた。

「そうか、じゃあ良かった。それでは私は出かけるとするか。」

そういうとキリュウは短天扇に乗って行ってしまった。

「なんだったキリュウは。」

「キリュウにはキリュウなりの考えがあんだよ。」

飛が笑いながら言った。



その時シャオは翔子の家にいた。

「さぁ、シャオ!七梨へのプレゼント何にしようか?」

「う〜ん、何がいいんでしょうねぇ」

「七梨が喜びそうなものだぞ・・・・・・」

翔子もシャオも悩んでいた。

「う〜ん・・・・・・何にしましょうかねぇ・・・あ!そうだ!

太助様の髪留めのリボンそろそろ切れちゃいそうです。だから新しく髪留めのリボンなんてどうでしょう?」

シャオがぱぁっとした笑顔で翔子に言った

「でもなぁ・・・リボンだけじゃあな〜何か物足りない感じがするよな」

「そうですかぁ?大切なのは気持ちです!」

シャオはそう言うとまた考え始めた。

それから30分後

「ありがとうございました。良い参考になりました。そろそろ帰らないと太助様が心配するので私は帰ります。」

そう言ってシャオは翔子の家を後にした。


そのころたかしと乎一郎は太助へのプレゼントを考えていた。

「やっぱり男たるもの男の友情の結晶をあげるべきだ!!」

「たかし君、何をいってるのかわからないよ、具体的に言ってよ。」

「男には必要不可欠な物だよ・・・う〜ん何があるかな〜」

「やっぱり太助君が一番ほしいものじゃない?たとえば・・・おもちゃとか洋服とかさ。」

乎一郎が良いアイディアを出しているいるのにもかかわらずたかしは相変わらずの熱血ぶりで言った。

「だめだ!!男の友情はおもちゃなんかでは表せないんだ!!」

「・・・だからたかし君。具体的なアイディアを出してよ〜」


その頃七梨家では。

―――ガチャ―――

「ふぅ、ただいまですぅ」

シャオが帰ってきた。

「あ、お帰りシャオ。山野辺の家に行ってたみたいだけどなにしてたの?」

「ふぇ?あ・・・秘密ですぅ♪」

そう言って台所へいってしまった。

「なんなんだ・・・あ!でもシャオが秘密にしてる事って悪いことじゃないんだよな・・・だとしたら俺のプレゼント!?」

太助は勝手に推測していたがその推測は当たっていた。

リビングに居た飛とシャオの会話が聞こえた。

「シャオ、太助へのプレゼントもう考えた?」

「はい!考えましたよ!飛ちゃんは何にしたんですか?」

「秘密だよ!シャオは?」

「私も秘密です♪太助様が喜んでくれるといいんですけど・・・」

「大丈夫だよ。太助は優しいから。シャオのプレゼントだったら何でも受け取ると思うよ。」

飛が笑いながらシャオに返した。


そんな会話が続きついに太助の誕生日会が開かれた。

「イェーイ!太助誕生日おめでとう!!じゃあ俺が代表して一曲!」

たかしがいつも通りマイクを手に取り歌ってるのを無視しパーティーは進む。

「じゃあプレゼント渡しましょう!」

花織の一言で女の激しい戦いが始まった。

「たー様〜!ルーアンのプレゼント当ててみて〜」

ルーアンがベタベタくっついてくるがそれを押し退け

花織がかわいい水玉模様の包装紙にくるんであるプレゼントを太助に渡した。

「はい!七梨先輩!!これから寒くなりますから私が作ったマフラーです!」

「え・・・?手編みのマフラー?・・・・・・・」

太助はその言葉を聞いておぞましい光景を想像してしまった。

「あ・・・ありがとう・・・」

ルーアンからはペアルックのセーター。

乎一郎からは車のプラモデル。

たかしからは愛用マイク、ピカデオンを。

キリュウからは温泉饅頭10箱。

飛と星神達は花壇に花を植えてプレゼントした。

「太助様!!これプレゼントですわ。」

シャオの元気な声で太助は喜びの笑顔を満面に表して言った。

「ありがとう!シャオ!」

箱を開けてみてみると、黄色の長いリボンとシンボルが星のネックレスと手紙が入っていた。

太助はその手紙はまだ読まなかった。

そして、誕生日パーティーも終盤。最後に太助がみんなに言った。

「俺のためなんかにこんなに暖かい誕生日パーティーを開いてくれて本当にありがとう!」

太助のその言葉でパーティーは終わった。


そしてその夜。

太助は自分の部屋にいた。

月と星が輝いている。

太助は頭の中で読み始めた。

「太助様へ  私が太助様とお会いしてからもう3年近く経っています。

その間私はとてもうれしく感じていました。

太助様が私を必要としてくれたこと、太助様が私に好きっていってくれたこと。

だけど、謝らなきゃいけないことがあるんです。

それは、まだ私がわからないことばっかりあって太助様にご迷惑をおかけしているということ。

それと太助様が好きって言ってくれたけど、私はまだ好きっていう意味がわからないんです。

太助様が好きっていうのはわかります。けど、翔子さんたちが好きっていうのとはぜんぜん違うと思うんです。

だから太助様が私のことを好きって思ってくれている内にその気持ちに気づきたいと思います。

これからもよろしくお願いします。」

そう読み終わると太助は目から涙が零れ落ちていた。

「シャオ・・・・・・よろしくな!」



もう始まりは終わった。

次からは第2章に変わる。

それを最終回にするのも、まだまだ続かせるのはシャオ達の判断による。

新たなドアを開けるのも勝手だ。

誰が何といっても運命の輪は回り始めた。

結末は決まってはいない。

結末はひとつの選択だけでガラッと変わる。

最高の結末へのカウントダウンは始まった。




〜〜〜あとがき〜〜〜


どうも雄志です。

今回はだいぶ長いですね。

印刷したらなんと6枚!?

え〜この小説では24を見た影響もあるのですが、リアルタイムで話が進んでいますので、

話の内容を掴むには真剣に読まなければいけないと。

多分、深くDeepな感じに仕上がったと思いますね^^;

結構キャラクター出しましたね。

今回も感想、意見、等。よろしくお願いします。^^;

それでは。





→月天小説♪へもどるでし


→もどるでし
inserted by FC2 system