エール
原作:桜野みねね先生 文:雄志


セミが鳴き始めた夏の暑い日。

恒例のあの行事が近づいてきた。

「それじゃあ、そろそろ体育祭のリレーの選手と応援団の人を決めたいとおもいます。」

その言葉にクラスがざわめく。

翔子がいつものように太助を茶化すように

「七梨君が応援団長がいいとおもいます!」

「・・・山野辺!お前なにいってるんだよ!!」

そして翔子は

「私はリレーの選手に立候補しま〜す」

「おい!山野辺!!何勝手に言ってるんだよ!」

そのまま話し合いは進んでいく。

「はい。それじゃあ七梨君が応援団長でいいとおもう人!」

クラスのほぼ全員が手を上げた。

「はい。ありがとうございました。それじゃあ七梨君に応援団長を任せたいとおもいます。」

その日の夕飯。

「太助様。応援団長ってなんですか〜?」

「・・・ん?応援団長ってのは体育祭のときに走ってる人たちを応援したりする人のことだよ」

「そうなんですかぁ。太助様そんな大きな役目持って大丈夫なんですかぁ?」

「・・・あぁ大丈夫だとおもうよ。」

キリュウと那奈は笑っていた。

次の日から応援団の練習が始まった。

シャオと翔子はリレーの選手なので練習に。

両組の応援団の顔合わせが始まった。

白組の応援団長はたかし。

乎一郎が太鼓。

赤組は太助が団長。

花織が太鼓。

そして声だしが始まった。

声では白組のほうが勝っている。

たかしは太助を睨み

「お前には絶対負けないぞ!七梨!」

「わるいけど、俺お前には負けないよ。」

そして顔合わせも終わった。

その後ベランダにいるキリュウに呼ばれた。

「主殿。そんな声じゃ応援にもならないぞ。今日から声だしのための試練を与えよう。」

そういってキリュウは戻っていった。

「・・・また試練が増えるのか・・・まぁいいか。」

その日の帰り。

「主殿。腹筋に力を入れろ。声を出すには腹筋が一番重要だぞ。」

「・・・えぇ〜わかったよ。」

試練は夜まで続いた。

そして太助は夕飯を食わずにすぐ寝てしまった。

そして、学校の練習とキリュウの試練が力になったのか最後の練習では赤組のほうが声が出ていた。

そしてキリュウの声出し最後の試練。

「主殿。明日が本番だ。今日は一層努力するのだ。」

「フレーフレー赤組!!フレフレ赤組!」

声は出ていた。

そして夕飯。

「太助様。体育祭明日ですね。応援団長がんばってくださいね。」

「あぁ・・・シャオもリレーがんばれよ。」

・・・次の日・・・

ラジオ体操から校長先生の話が終わった。

ついに競技だ。

徒競走。

太助は5人中2位。

シャオは6人中1位。

翔子も6人中1位だった。

そして最初のエール交換。

白組の先行。

「赤組の栄誉を称え〜ここにエールを送る〜フレーフレー赤組〜フレフレ赤組!」

白組のエールが終わった。

「白組の健闘を称え〜赤組からエールを送る〜フレーフレー白組フレフレ白組!!」


やはり赤組のほうが声はでていた。

一番ヒートアップする恒例の綱引き。

赤組は1回負け2回勝った。

白組は1回勝ち2回負けた。

ここまでの総得点は赤組380点白組390点。

10点も差がある。

あと残すのは最後のエール交換とリレーだけだ。

今度のエール交換も白組が先行。

乎一郎の太鼓でたかしたちが入ってくる。

それと同時に

「赤組の〜健闘を称えここにエールを送る〜フレーフレー赤組!フレフレ赤組!!

たかしも結構声が出ていた。 花織の太鼓で赤組応援団が入場する。

「白組の栄誉を称えここにエールを送る〜・・・・・・・・・・・・」

「ん?あれ?おかしいな声が出ないぞ?」

場内が静まり返った。

太助の喉は限界を超えていた。

シャオが叫んだ!

「太助様!!がんばってください!!」

その一言で太助は生き返ったように声が出た。

「フレーフレー白組!!!フレフレ白組!!!」

場内が沸きあがった。

そしてメインのリレー。

――――よーい!!ドンッ!!――――

その一言で始まった。

決して長くはない戦いだが校庭の真ん中で応援団の最後の声出しが始まった。

「フレフレ赤組!!」

「フレフレ白組!!」

――――ゴール!!――――

結果:1位シャオ2位翔子3位佐藤さん4位武見さん。

  そして結果発表。赤組と白組の得点版が両方一気に上がった。

赤組477点白組475点。

赤組の勝ちだ。

その瞬間に赤組ゾーンから歓声が沸いた。

「ワーーーー!」

シャオと太助が手を組み飛び跳ねる。

それを見た翔子は計画通りな顔をしてた。

「クソー負けちゃった〜。」

その声の持ち主はたかしだった。

「ようたかし。お前結構声出てたじゃん。」

「お前のほうが出てたよ。」

「・・・俺はキリュウの試練があったからだよ。」

「それにしてもお前はすごいよなぁ〜シャオちゃんもすごいけどさぁ」

「シャオリレー一位だったもんな〜」

そんな仲むつまじい会話があった。

そしてその日の帰り。

「太助様。今日かっこよかったですよ。太助様の応援で私1位になれたんですから。」

「そんなことないよ〜シャオの努力の結果だよ〜」

「ありがとうございますぅ。でも太助様の応援もありましたよぉ。

私太助様が私に向けて応援してくれてるっておもってたんです。

・・・だから余計に負けられなくて、そのおかげもあったんだと思います。」

シャオは頬を赤らめて言った。

太助はシャオを励ます気持ちで

「シャオの栄誉と健闘をたたえ〜ここにエールを送る〜フレーフレーシャオ!!フレフレシャオ!!」

そういうと太助は早々に

「・・・さぁ!帰ろうシャオ!」

「はい!!ありがとうございます!行きましょう。」




〜〜〜〜〜あとがき〜〜〜〜


どうも雄志です。

もう何作目だか分からなくなりました。^^;

今ちょっと長編の別ジャンルの小説を書いているのであまり月天物を書く余裕がなくなりましたね。

今回のキーポイントは最後のシャオへのエールですかね。

題名どおりの話にうまくまとまったので、結構上手に出来た感がありますね。

そろそろ悲しいストーリをがんばってやってみようかと思いますね。

今回も感想・意見おねがいします。





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