鬼ごっこ
原作:桜野みねね先生 文:雄志


いつもとかわらない日曜。

爽やかな風。

眩しいばかりに光る太陽。

それは少年を遊びに行かせるためのものだったのかもしれない・・・

「なぁシャオ、今日天気いいしさぁみんなでどこか行かない?」

「う〜ん、いいですね!行きましょう」

そしていつもどおりのメンバー。

たかし、ルーアン、花織、乎一郎、翔子、キリュウ、出雲・・・

いつものように出雲が運転。

たかしはカラオケ。

花織、ルーアンは太助にベトベト。


それをみている乎一郎はルーアンにちょっかいばかりだす。

同じようにシャオも太助に対してお菓子の箱を投げたりもした。

そして、なんだかんだで森林公園に着いた。

たかしはいつものようにリーダシップを発揮して言う

「じゃあ、何やろうか!鬼ごっこでもするか?」

「あぁ、鬼ごっこね。やろう!」

みんな賛成のようだ。

とにかくこの公園は広い。

人がどこにいるかなんて分かったものではない。

そのうえ今日はお花見客がいっぱいいるので、そこに隠れていれば鬼に見つかる必要が無かった。

「じゃああの電柱からあっちの池までが範囲ね。」

この声でみんなの闘志に火がついた。

そして、鬼決めじゃんけん。

「最初はグー!!ジャンケンポン!」

翔子が負けた。

「それじゃあ、早く逃げろよ〜1,2,3,4,5,6,7,8,9,10!」

みんなを追う翔子。

そしてシャオは太助についていく。

キリュウは短天扇で飛んでいく。

ルーアンは木に陽点心をかけて上に。

それに連れて乎一郎も。

たかし、出雲、花織は普通に逃げる。

そして・・・

「待て〜こらぁ!」

太助を追っかけながら翔子が叫ぶ。

「待てっていって待つやつなんているかよ!」

翔子を振り切り逃げ切った太助。

日ごろの試練のおかげだ。

日が暮れかける。

出雲の「集合!」の合図で全員集合した。

結果。

鬼になった回数は、太助、シャオ0回。たかし1回。ルーアン2回。キリュウ4回。出雲5回。花織7回。

花織は「私ばっかりねらわれたぁ〜。」

などとウダウダいっていたが、誰も気にしない。

ほぼ花織、出雲の鬼でおわった。

そしてその夜。

太助の家でみんなご飯を食べることになった。

「いただきま〜す!!」

明るい声が響く。

それとともに夕飯の取り合い。

鬼ごっこの疲れで、みんな腹ペコなのだ。

そして、ご飯を食べた後はみんなでボードゲーム、カードゲーム、テレビゲーム。

独自にやっていた。

そして9時半。

みんな帰宅した。

「ばいば〜い」

「また明日な〜」

の声で楽しい日曜の終わりを告げたような気がする。

だが、また遊ぶことも出来る。

その嬉しさにシャオは笑顔だった。

「太助様!今日は楽しかったですね!」

「あぁ、シャオと俺は一回も鬼になってないから逃げてばっかだったからスリルがあったのかもな。」

シャオは洗物をしに台所へ戻る。

屋根裏で

「主殿。シャオ殿が今日あんなに嬉しそうな顔をしてたのはなぜか分かるか?」

「いや・・・みんなと一緒に遊べたからじゃないのか?」

「違う。主殿が花織殿やルーアン殿と一緒にいないで自分とずっと一緒にいてくれたから、

嬉しく感じたんだろう。」

「そうか・・・シャオは俺のことおもってくれてたのか・・・」

いつものように過ぎ去っていく1週間。

みんな生き方は違う。

思ってる事だって違うはずだ。

だけど、遊んでるときは同じ気持ち。

鬼ごっこだったら

「鬼から逃げなきゃ!」

缶けりだったら

「早く缶けらなきゃ!!」

遊びは心を一緒にしてくれるものだと。

シャオは気づいていた。

「太助様が今日すごくかっこよく見えたんだぁ。

けどね〜鬼さんから逃げてるとき、気持ちが一緒みたいだったんだよ〜離珠。」

そして・・・1ヵ月後。

「おーい!七梨!!シャオちゃん!遊び行こうぜ〜」

この元気な声で楽しい日曜が始まる・・・

太助はおもった。

「終わらない世界じゃない。人の人生には終わりがある。

けどそれはさまよう期間じゃなく次、またシャオのような存在に会うための準備期間」

だということを。

シャオもまた

「現実という鬼からは逃げられない。太助様とはいつか別れるときがくる。」

そう考えていた。

しかしそれは今となってはいらない考え。

まだ、やらなければいけないことがたくさんある。

シャオの真の主になるため、そして人生のパートナーになるため。

シャオだけではない。

キリュウ、ルーアンにだってまだまだ教えることはたくさんある。

しかし、太助はまだそんなことを考え、悩む年ではない。

むしろ今は悩まずに突き進むことが重要だと。

考えなきゃいけないことは5万とある。

しかし人生は鬼ごっこだと太助は気づいたのだ。

太助は誰になんと言われてもよかったんだ。

ただ、将来、現実という鬼からはまだ逃げられるとわかっていたから・・・




         
〜〜〜〜〜あとがき〜〜〜〜〜


どうも雄志です。もう5作目ですね。^^;

え〜っと今日すごい良い小説が出来たんだけど、

友達のところに置きっぱなしですんで、6作目として、公開しようかなとおもってます。

今回のポイントは小説のカンジより詩ってカンジですかね。

え〜小説を書いてるうちに知り合ったイラストのうまい人たちに

今度絵を描いてもらってやっぱりシャオや太助の感情の捉え方が一番難しいかな?とおもってます。

漫画っぽくできたら読んでもらおうかな〜とおもっています。

感想、意見お願いしますね^^;





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