思い出のクリスマスツリー
原作:桜野みねね先生 文:雄志


冬の風が舞う寒いある日太助は思ってた。

「……う〜ん寒いなぁ。そういえばもうちょっとでクリスマスだなぁ。

シャオには何をプレゼントしようかなぁ?

この前のクリスマスにあげたネックレスは鰹節がしけらないように留めるひもになっちゃったしなぁ。」

去年のクリスマスを思い出しつつ考えてた。

考えても結果は一緒だった。何もでない。

「こういうときに山野辺が来るといいのにな〜あいつ今親戚の家に行ってるらしいしなぁ。」

ほかのことを考えてるとすぐにアイディアは出た。

「……そうだ!!シャオに直接聞けばいいんだ!」

自分をひらめきの天才と思いつつシャオの元に向かう。

しかし、いざとなってはいえないのが男。

「……シャ、シャオ……あのさ。」

シャオは純粋な目で答える。

「なんですか〜?太助様ぁ」

太助は言おうと思っていたが、

「……ク、ク、クリ、栗が食べたい!」

とごまかす事しか出来なかった。

それにシャオは普通に

「栗が食べたいんですか?わかりました。じゃあ買ってきますので、待っててください。」

と答えていってしまった。

シャオが栗を買いに言ったあと、ルーアンがやってきて

「たー様、もうじきクリスマスよ〜。たー様は私に何をプレゼントしてくれるの?」

太助はショックで

「……栗、栗?栗?何で栗?あぁぁ〜!なんで栗なんだよ!?」

とルーアンの話をまるっきり聞いていなかった。

ルーアンは太助の言葉を聞いて

「……栗?栗が今年のクリスマスプレゼンとなんてルーアンやだぁ!」と。

ここで交差が起きていた。

しかし太助はそんなことは考えずにいつ言おうか、

なんていってシャオにきりだすかで頭がいっぱいになっていた。

10分後、玄関のドアが勢いよく開く。

――――――――ガチャ―――――――― 

それと同時にシャオの明るい声が聞こえた。

「ただいま〜!太助様栗かってきましたよ〜。」

太助はもう栗など食べる余裕がなかった。

「……あぁ、シャオじゃあ戸棚に入れといて。」

そしてシャオは夕飯の用意をしに台所に向かった。

そこでキリュウがリビングに降りてきた。

「あぁ、主殿今日は寒いな。

そういえばもう少しでクリスマスだがシャオ殿にはプレゼントはあげるのか?」

太助はキリュウに相談をしようとキリュウに聞いてみた。

「あげようとは思ってるんだけど、おもいつかないんだよね。何かいいのあるかな?」

キリュウは少し微笑みながら。

「主殿、これも試練だ自分で考えられよ。

そうすることが主殿にとってもシャオ殿にとってもいい結果が出るとおもうぞ?」

そういってまた2階にもどっていった。

「……なんだったんだ。キリュウは。」

そして、夜7時。またシャオの明るい声が家中に響く。

「皆さん〜ご飯ですよ〜」

シャオの声とともに家にいる誰もが走って下に降りてきた。

「いただきま〜す!」

お待ちかねのご飯にみんな箸がすすむ。

太助は考え事をしているため、ご飯なんかじゃなかった。

シャオは心配そうにいう。

「太助様〜ご飯おいしくないんですか?大丈夫ですか〜?」

太助はシャオの心配そうな顔を見て笑顔で

「大丈夫だよ。ありがとうシャオ。」

そしていつもどおりにご飯をたべて部屋に戻る太助。

そして太助の部屋のドアが開く。

――――――――ガチャ―――――――― 

扉が開き那奈の声が部屋に響く

「太助〜!どうしたんだよ〜。また考え事か?

わかった!シャオのクリスマスプレゼントでしょ〜?」

那奈はいつもより察しがよかった。

なぜなら山野辺が出かける前に

「太助が悩んでたら、シャオのクリスマスプレゼントのことだから、相談にのってあげてな!。」

といってたからだ。太助はもう那奈に頼るしかなかった。

「……なんでわかったんだ?……それより何をあげればいいのかな?」

那菜は心の中で山野辺がとてもすごいとおもっていた。

そしてこの言葉で兄弟だということが証明された。

「う〜ん……やっぱりシャオに聞けばいいんじゃないか?」

那奈は太助と完璧に思考回路が一緒だった。

太助はやっぱりこいつもか。という顔をしていった。

「……それはもう考えたんだよ。」

那奈はキリュウと同じ考えも持った。

「やっぱり一番いいのは太助が自分で考えてそれをシャオにプレゼントとすることじゃないか?」

そういい残し太助の部屋を去っていった。

「……なんなんだよ!みんな同じことばっかじゃんか!」

太助は何も思い浮かばない気持ちが苛立ちに変化していた。

悩みつかれ太助はその日は寝てしまった。

そして3日後。シャオはいった。

「クスリマスツリーがほしいです。」

太助は「……そうか、それよりクスリマスツリーじゃなくてクリスマスツリーだぞ?」

シャオは頬を赤らめて

「あぁ!それです。クリスマスツリーですぅ!」といった。

家に帰ってからというものシャオのあの言葉がずーっと繰り返し頭の中で流れていた。

しかし太助はそれに気づかずに

「……早くシャオのプレゼントかんがえなきゃな。」


そしてクリスマスの前日。

太助は勇気を出して

「……シャオ。明日クリスマスだから一緒にどっかいこうか?」


シャオは嬉しそうな顔で

「はい!行きましょう。」

そしてクリスマス当日。

一緒に繁華街に行くシャオと太助。

太助はふっと言った。

「……シャオは何かほしいのある?」と。

いってから気づいた。

「……あ!俺言えたよ。あんなに悩んでたのに。」と。

シャオは

「この前言ったじゃないですか〜。クリスマスツリーですぅ。」と返した。

太助は頭の中で整理していた。

「あれ?……この前シャオがいってたな〜。

そうか!シャオはクリスマスツリーが欲しかったんだ!!忘れてた!」と。

そこで太助は

「シャオ!じゃあツリー買いに行こうよ!」と笑顔でいった。

シャオも同じような笑顔で「買ってくれるんですか〜?嬉しいですぅ。」と。

そして、クリスマスツリーを買って、家へ戻る二人。

二人で飾り付けをしていた。

そこで少し休憩をはさむことにした。

「太助様〜この前の栗まだありましたよぉ〜!」と。

太助は思い出しつつ

「……あぁ、ありがとう。置いといて。」

そして飾り付けも終盤にかかったところで太助が気づいた。

「……あ!一番上の星が無いぞ!どこだ?」と。

そこで飾り付けをやめて、星を探した。

しかし、探しても探しても見つからなかった。

そこでシャオが

「太助様。お星様は無くていいですから。何か代わりを探しましょう。」と優しく言った。

太助はシャオの優しさにすまない顔で

「ごめんな。来年また星買おうな。」と。

そこで代わりを探していた。

そこでシャオが

「この栗一番上におきましょうよ!」と純粋な顔でいった。

太助は軽く考えた。

「……クリスマスツリーの天辺に栗?冗談で言ってるのか?」

そこで確認のために聞いた。

「……シャオ。本気でいってるのか?」

シャオは笑顔で

「はい!栗じゃだめですか?」

太助は優しく

「シャオがいいんだったらいいよ。」と。

そして飾り付けが完成した。

やはり周りから見たら変なクリスマスツリーだ。

ルーアンや那奈は声をあわせて

「……何そのクリスマスツリーの天辺。」

太助は普通に

「……え?飾り付けの星がなかったから代わりを探してたらシャオが栗がいいって。いったから……」

ルーアン達は

「ふ〜ん。まぁいいけど。」

そしてそのあとみんなで楽しく恒例のクリスマスパーティーをした。

しかし、やはり同じことを聞かれる。たかしも乎一郎も声をそろえて

「何この栗?」と。

そしてまた同じことをいう

「だから!飾り付けの星が無かったんだよ!それでシャオが栗がいいっていったから栗にしたんだよ!」

と怒りつついった。

たかしは

「……だから!ってね。。。。俺ら一回しか聞いてないだろ?」

そしてルーアン達の分のクリスマスプレゼントを買ってないことに気づいた太助は、栗を3個づつ渡した。

ルーアンは

「やっぱり栗がクリスマスプレゼントだったの〜?

しかもこれクリスマスツリーの天辺についてあるやつの余りじゃないの!」

そしてみんなで天辺が栗のクリスマスツリーを囲んで楽しくパーティーを過ごした。


シャオの今年のクリスマスプレゼントはクリスマスツリーと栗だった。




                   
〜〜あとがき〜〜


早々に3作目です。なれてきましたね。

今回は赤丸ジュンさんにご指摘いただいた点。

’……’などをつかって書きました。

え〜っと今回はちょっとしたギャグがところどころに入れられるほどの余裕が出てきましたね。

クリスマスツリーの天辺が栗って言うのがキーポイントですね。^^;

結構キャラ使ったつもりでしたが大して使ってませんでしたね。 今回も感想、意見よろしくお願いします。





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