嫉妬と努力
原作:桜野みねね先生 文:雄志


太助はいつも考えていた。

「シャオはなんで出雲のところによくいくんだろうか?」と。

シャオもまた同じようなことを考えていた。

「太助様はなんで花織さんやルーアンさん達と仲がいいんだろう?」

気づけば二人はいつも似たような行動をとっていて、同じようなことで悩んでいて、

二人の仲は他人から見るとすごい仲の良いカップルだと思われていた。

花織は太助に

「七梨先輩!何悩んでるんですか?花織が元気づけてあげましょうか?」

太助はもうそんな冗談に付き合えるほどの気力がなかった。そんなときに出雲が家にきた。

出雲は玄関先でシャオを誘っている。

「シャオさん悩んでいるときは海に行くといいですよ。私でよければ話聞きますよ?」

シャオは自分でも太助と一緒にいたいと思っていたが、

一緒にいても話せないなら仕方がないと思ったのだ。

「はい。ありがとうございます!今支度してきます。太助様。出雲さんと海にいってきます。」

太助もシャオと同じ事を考えていた。

シャオと一緒にいたいけどなぁ、話す勇気がないんだよなぁ。

シャオが出かけた後、翔子は言った。

「シャオよりもお前のほうが気持ちの動きや感情の動きがわかるだろ?

なのにお前が勇気出さないでどうするんだよ?

それじゃあシャオも出雲と一緒にいて当たり前だ。

お前、今なんでシャオは出雲と一緒にいるんだろう。って思ってるだろ?

シャオも同じ事考えてるぞ。

お前がいつもルーアンや花織達を振り切らないでず〜っといるからシャオだって心が痛くなるよ。

シャオはなお前が何で花織やルーアン達といるのかな?って考えてるぞ?」

太助は自分の気持ちに気づいた。

「そうか、、、、、、自分のほうが気持ちの動きがわかるんだなぁ。

でもシャオは俺のことが好きかなぁ?」

太助は出雲に密やかに嫉妬の念を抱いていた。

また、海に行く途中、車の中でシャオも考えていた。

「ルーアンさん達にはぜったい負けない!!」

シャオはもうすべての悩みが吹き飛んだ。

自分の太助に対する思いが少しずつわかってきたから。

ルーアンや花織に対しての嫉妬よりも努力して太助に選ばれようと、考えていたのだ。

シャオは出雲にいった。

「すいません!家に戻ってもらえますか?」 

出雲はシャオが何をしたいかわからなかったが、どんどん悟るようになった。

「太助君のことですか。

やっぱり私にはあなた達の間には入れないのかもしれませんね。」

出雲はシャオのすべてが振り切れた顔を見て

「この車をエンジン全開で飛ばして早く太助君の家までシャオさんを送るのが私の役目。」と思った。

そして45分後。

「ただいま!太助様ぁ〜!」

シャオの明るい声が家に響く。

また太助も

「シャオ、おかえり。話したいことがあるんだけどいいかな?」

とシャオは太助の心の動きがわかった。

「はい。私も話したいことがあります。」

太助は早々にシャオに話し始めた。

「俺はシャオのことをいつも思ってたんだ。

なのにそれを邪魔な想いとして考えていたんだ。けど今は違う。

シャオに思ってもらうにはまず自分がきちんと気持ちを整理してシャオに話すしかないんだ。

ってだからシャオに言うよ。俺はシャオのことをいつも思ってる。

シャオのことを忘れたときはないよ。だから、、、、、」

太助は言葉が詰まって続きがいえなかった。

しかし、シャオが続く。

「私は太助様のことをいつも思ってました。

私がいつも思うのは花織さんやルーアンさんがいなければ、

私が太助様といっぱい話せるのになぁって。

けどねルーアンさんは家族で花織さんはみんなの友達。

だからいなくなればいいって思いは邪魔な想い。

だから、、、、私は努力して太助様といっぱい話せるようになりますから、

太助様もたまには私の思いに気づいたらでいいですから私に喋りかけてくれるとうれしいです。」

シャオは全部言った。心の奥から言葉を捜して。太助にもすべてが伝わった。

すべてを言い切って泣いているシャオに太助はいった。

「俺のほうが子供だったんだな。シャオはこんなに思っているのに俺はわかんないなんてさ。」

そして太助は言葉を捜していった。

「さぁ、シャオご飯食べようぜ!おなか空いちゃったからサ!」

シャオは泣き泣きだが嬉しい顔をしながら

「はい!!」と。

 二人の思い交差することはなかった。

考えてることはすべて一緒だったのだ。

                          おわり


                感想

早々と2作目ですが、小説を書くのが楽しくなってきました。

こうするといいよ。などの感想をいってもらえると嬉しいです。





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